20 「ヒューマンアイデンティティー」

栄光の日々と苦難の日々。これらに違いがあるだろうか。

私には無い。

確かに前者は知名し、豊かになる。何より光を浴びる快感を覚える。

しかしそれは次の苦難への合図だ。しかも以前より大きな苦難への。

やるべきことは同じである。
そういつも。
私にとっては慣れ親しんだ読書の時間のようなものだ。
どんな本を読んでいようが、読書に違いはない。
読み終えた後に何かを得ているのだから。快楽にも苦痛にもいずれ慣れる。
だから同じなのだ。光の中なのか、闇に包まれているのかは大した問題ではない。

ただ黙々と自己と向き合うのだ。

正真正銘他者には分かり得ない自己の世界を感じるために。

そうすればやっとみずみずしい果実を口にできるだろう。甘美過ぎることのない果実を。

他者と比較するのという社会の本能を捨てることができた時、心底に人間らしい種を蒔けるのだと思う。

そのささやかな喜びのため、私は周囲を見渡し、やるべきことをやり、自分をつくり続ける。

それが神仏に優る真理だと信じて。

(07.07.27)
曽田雄志の文化向上委員会
曽田雄志(Yushi SODA)
1978年 札幌生まれ
コンサドーレ札幌
筑波大学を経てコンサドーレ札幌に入団。札幌南高校出身という異色の経歴を持ち、アート、ファッションに造詣が深い彼を通してコンサドーレファンになった道産子が多数。ヘディングの技術は日本屈指との高い評価を受けるマエストロ的存在。
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